製造業を変える「機械の目」

   

このコーナーでは、製造業向けAIの最新研究をお届けしていきます。サクッと業界のトレンドにキャッチアップしましょう!今回のトピックスは「コンピュータビジョン」に関わる以下の5つです!

目次
1. 写真を3次元のデータと照合して自動検査
2. レーザー溶接欠陥検査へのCNNの応用
3. 光学カメラ通信を使用した監視システムの設計と実装
4. 画像認識に基づく無人車両の運動制御システム
5. 画像認識で眼鏡のコーティングの欠陥検出

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写真を3次元のデータと照合して自動検査

航空産業では、品質を保証するために自動検査は必要不可欠です。自動検査により品質管理の工程を手早くすることができるため、この検査システムの需要は高まっています。

品質管理における一般的な課題として、部品がそこにあるのか確認することと、正しい位置にあるのか確認することが挙げられます。

フランスの研究チームは
1)検査を行う視点を自動で選択し、
2)その視点から得られた画像を3次元のCADモデルの情報と照合して自動処理を行う
という2つの側面からこの課題に取り組みました。

元論文:Automatic Inspection of Aeronautical Mechanical Assemblies by Matching the 3D CAD Model and Real 2D Images

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レーザー溶接欠陥検査へのCNNの応用

バッテリー産業は、電気自動車や電力貯蔵アプリケーションからの強い需要のために急速に成長しており、レーザー溶接はバッテリー製造において重要なポイントです。

品質管理のためにレーザー溶接の欠陥検査を自動化したいという要望が強く、近年ではCNN(畳み込みニューラルネットワーク)を応用して欠陥検出に成功しています。

中国の研究チームはVGG(Visual Geometry Group)モデルにおける伝達学習理論と事前学習理論アプローチを用いて、欠陥の分類効率をさらに向上させるために最適化されたVGGモデルを提案しました。

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元論文:A High-Performance Deep Learning Algorithm for the Automated Optical Inspection of Laser Welding

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光学カメラ通信を使用した監視システムの設計と実装

現在、無線周波数を用いた無線技術は世界中で応用を重ねられながら広く利用されています。そんな中、データ通信に可視光を用いることは光無線通信、光カメラ通信、可視光通信などの新たな選択肢を提示するトレンドになっています。

韓国の研究チームは、時間領域でのオンオフ変調に基づく変調方式を提案し、光カメラ通信を用いた監視システムに適用しました。この方式は市販のグローバルシャッター/ローリングシャッターカメラに対応しており、低コストの監視システムを実現することができます。

元論文:Design and Implementation of a Monitoring System Using Optical Camera Communication for a Smart Factory

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画像認識に基づく無人車両の運動制御システム

自動車の自動運転技術が盛んに研究対象として扱われている中、台湾の研究チームは無人鉄道車両の自動操縦システムについて提案しました。このシステムは固定輝度環境下で構築構築されており、予め定義された色や形の異なる4つの図形が加速・減速・後退・停車の運動司令として機能します。

このシステムは画像認識技術に基づいており電磁干渉を受けません。そのため、鉄道で普及している無線通信ベールの列車制御システムに組み込むことで運行の安全性をさらに向上させることが可能になります。

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元論文:Motion Control System of Unmanned Railcars Based on Image Recognition

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画像認識で眼鏡のコーティングの欠陥検出

近年の眼鏡産業は急速に発展しており、メガネは高価になり高度なコーティング技術の開発が求められています。しかし、眼鏡をコーティングする工程において目視検査による欠陥検出は困難です。

台湾の研究チームはこの問題を解決するために、マシンビジョンをベースとして、リアルタイムでコーティングされた眼鏡の欠陥を検出するシステムの枠組みを提案しました。

このシステムは台湾の眼鏡工場で収集されたデータにおいて100%の欠陥検出率を達成しており、コーティングされた眼鏡の検査に有効であることが証明されています。

元論文:Automatic Defect Inspection for Coated Eyeglass Based on Symmetrized Energy Analysis of Color Channels

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機械が「眼」を持つことで現場はどう変わる?

上記5つの研究事例をもとに言えることは、「検査」「監視」「自動制御」、少なくとも3つの分野で大きな発展が見込めるということです。特に、「安全さ」が向上するでしょう。

製造は現場の無人化がまだまだ進んでいませんが、自動化技術を何に使ったらよいのかを現場のニーズに従って発想する必要があります。

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コンピュータビジョンの研究を行っている大学院M1です。

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