いまや、労働市場に関するデータセットは豊富なために、「社会科学的な課題」も高度な統計的分析が可能である。
ただし、博士号取得者のキャリアについてはデータが少ない。特にアカデミア以外で活躍する博士についての情報は「未知」と言っても過言ではない。アカデミアのポストには限りがあるが、博士学生の潜在能力をアカデミア以外で活かすにはケーススタディが少なすぎる。「大学」、「企業」、そして何よりキャリアの選択を迫られる「学生自身」にとって、意思決定を下す材料はあまりにも足りないのが現状だ。
さて、データセットの数が限られていても優れたアルゴリズムを生み出すことが可能なのは機械学習の長所のひとつでもある。
ドイツにあるカッセル大学のHeinischら研究者は、現在存在するデータベースでは博士号を取得した大学院生の卒業後のキャリア情報を知ることは困難であるという課題に着目し、機械学習を用いたトレースを行えないか試みた。結果、教師つき機械学習を行うことで一定の成果が見られた。
「教師あり学習」で博士たちのキャリアを研究
Heinischらの研究のポイントは以下の通りだ。
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