機械学習でコンクリートの組成をデザイン(ポーランド)【AI論文】

ポーランドにあるグダニスク工科大学のZiolkowskiら研究者は、複雑なコンクリートの混合技術を機械学習のテクニックを用いてデザインする課題に着目し、より優秀で再現性のあるコンクリートの組成を試みた。

その研究のポイントはこうだ。

✔️課題
コンクリートの組成を行うに際して、混成プロセスの複雑さから優れた性能を常に担保するのは難しい

✔️解決手法
機械学習によるパターン解析で人間が認識していないコンクリートの細密な組成を解明する

✔️結果
ANNにより、コンクリート・水・細骨材・粗骨材の比率を提供するツールを開発した。さらなる耐久度の確認などを今後の課題としている。

では研究の詳細を見てみよう。

コンクリート組成と機械学習

優れたコンクリート素材を作成するための成分組成は複雑で多段階のプロセスを踏む。具体的な混成方法は一般的に知られているものもあるが、コンクリートの圧縮強度を予測するまでには至っていない。コンクリートの安全性・耐久性といった特徴を予測するための取り組みが重要となる。こと「予測」に際して機械学習は大きな注目を集めており、膨大なコンクリートの組成におけるデータセットの解析から我々が認識していないパターンを見つけ出すことも可能と考えられている。

Figure 2 縦軸に圧縮強度・横軸にkg単位の材料量を記載 散布図としてそれぞれセメント・水・細骨材・粗骨材をごとに記載した

ANNを用いてコンクリートデータを分析

Ziolkowskiらはコンクリートの最適な組成を機械学習を経て確立するため、具体的なレシピを伴う大量のデータセットを準備した。準備されたデータは人工ニューラルネットワークを介して最適なコンクリート組成を導き出す。学習に当たって重要なパラメーターは耐久性と製造プロセスの大きく2つの要素とした。人工ニューラルネットワーク技術(ANN・Artificial Neural Network) の従来手法を部分的に踏襲するにあたり、サンプルデータの精査を行った。過去の研究事例として、熟成3日未満のコンクリートのデータなどが含まれていたケースを考慮し、重み付け手法によって偏った学習を調整した。

最適な組成を提案するツール

コンクリート部材の組成レシピをデータとして使い、実験とANNによる予測を行った。入力に寄与する分析結果では、セメント量と水の比率がより高い精度でのセメント圧縮度に影響することを示した。合計4つの組成材料を組み合わせ、最適なコンクリートを提供するためのツールをZiolkowskiら研究者は開発した。この研究の発展形として今後は混成材をパラメーターの一つとし、コンクリートの耐久度に着目した実験を予定する。

コンクリート素材の割れ・ヒビなども計算し尽くされた組成による解決が見込まれる。きっちりと整った道路部材にも機械の叡智の足音がする

参照論文

Patryk Ziolkowski, Maciej Niedostatkiewicz “Machine Learning Techniques in Concrete Mix Design”, Materials 2019, 12(8), 1256

DOI

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