高速機械学習で金属欠陥を見つける(中国)【AI論文】

中国の北京科学技術大学のSiyang Tianら研究者は、熱間圧延鋼板の欠陥識別時におけるELMの性能が初期パラメータに依存してしまうという課題に注目し、ELMに遺伝的アルゴリズムと組み合わせることを試みた。Extreme Learning Machine(ELM)は高い識別精度を持つ高速機械学習アルゴリズムだ。

その研究のポイントはこうだった。

✔️課題
ELMの性能は初期パラメータに依存してしまう。

✔️解決手法
ELMを遺伝的アルゴリズムと組み合わせて改良版のアルゴリズム「G-ELM」を提案した。

✔️結果
ELMよりG-ELMの方が精度が高かった。

では研究の詳細を見てみよう。

ELMの性能は初期パラメータに依存してしまう。

鋼板表面の欠陥は鋼板の品質に影響する最も重要な要素の一つだ。
オンライン表面検査システムを介してこのような欠陥を検出することは非常に重要であり、その欠陥識別能力は訓練サンプルを用いた自己学習に由来する。

ELMはランダムな初期化パラメータを用いて生成した隠れ行列により行われるが、通常異なるパラメータだと異なる性能をもたらしてしまう。

ELMを遺伝的アルゴリズムと組み合わせて改良版のアルゴリズムを提案した。

この問題を解決するために、遺伝的アルゴリズムと組み合わせた改良版ELMアルゴリズムを提案し、熱間圧延鋼板の表面欠陥識別に応用した。
ELMの隠れ層の出力行列を染色体として扱い、いくつかの新しい突然変異規則を追加した。

G-ELM(遺伝的極限学習マシン)のフローチャート

ELMよりG-ELMの方が精度が高かった。

アルゴリズムを小さな窪み、亀裂、傷、縦割れ、縦方向の引っかき傷、薄い膜、横割れ、横方向の引っかき傷、圧延疵を含む熱間圧延鋼板の1675個のサンプルでテストした。
その結果G‐ELM(遺伝的極限学習マシン)アルゴリズムによって得られた訓練セットとテストセットにおける最高の識別精度はそれぞれ98.46%と94.3%であり、ELMアルゴリズムによって得られたものよりも約5%高かった。

熱間圧延鋼板の代表的欠陥9種:(a)小さな窪み(b)亀裂(c)傷(d)縦割れ(e)縦方向の引っかき傷(f)薄い膜(g)横割れ(h)横方向の引っかき傷(i)圧延疵
ELMとG-ELMの実験結果、vbとvhは最小と最大のの突然変異率。
vb=0.1、vh=0.3の時のG-ELMの訓練における精度の推移
vb=0.1、vh=0.3の時の各世代それぞれにおけるイテレーション

職人が少なくなる中、機械学習を使うことで品質の高い鋼板を作れる時代も近いかもしれない。

参照論文

S. Tian and K. Xu, “An Algorithm for Surface Defect Identification of Steel Plates Based on Genetic Algorithm and Extreme Learning Machine”, Metals 20177(8), 311

DOI

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