「フルHDのアイトラッキング」現場にコミットする機械学習ノート【vol.10】

   

こんにちは。エンジニアライターの小原です。

連載「現場にコミットする機械学習ノート」では、論文を詳しく読み解きながら、現場で使えるAI実装のヒントを記録していきたいと思います。

前回の記事では、「画像中の植生地帯を緑化」を扱いました。

今回は、トルコのアンカラ大学のY. Durnaらが2017年5月に発表した「フルHDのアイトラッキング」に関する論文を扱っていきます。

アイトラッキング企業

アイトラッキングといえば、国外ではトビー・テクノロジー(本社スウェーデン、日本でもTobii Japanで活動中)が有名な開発企業で、強力なハードウェアを販売しています。
国内では公益社団法人・流通経済研究所、TVISION INSIGHTS株式会社がアイトラッキングを独自で販売しており、買い物客の関心やテレビ視聴者の関心をデータ収集しています。

しかしいずれの企業製品もまだあまり有名ではないのは、使い道が限られているからではなく、技術的な成熟度がまだ足らないという理由もあります。市場規模が現在5億ドル、5年後には3倍になるとも噂されているアイトラッキング。研究の世界ではどこまで進められているのか、以下で覗いてみましょう。

もくじ
1章 アイトラッキングシステムにおけるデータ転送時の課題
2章 LabVIEWと暗瞳孔法で視線を検出する
2.1 研究目的
2.2 研究手法
2.2.1 瞳孔検出
2.2.2 赤外線(IR)画像を取得するためのカメラの改造
2.2.3 システムの流れ
2.2.4 注視点の推定
2.2.5 実験
2.3 研究結果

■前回の記事:【vol.9】画像中の植生地帯を緑化

1章
アイトラッキングシステムにおけるデータ転送時の課題

人間の手や頭、目の動きなどから収集した情報は、さまざまなシステムの入力引数として利用されています。その適用範囲は、インテリジェントシステム、ロボット制御、セキュリティ、支援アプリケーション、人間診断など多岐にわたります。

中でも眼球運動は、膨大な環境データを脳に伝達する重要な役割を担っている運動です。よって、眼球運動を追跡するアイトラッキングシステムには、様々な分野への応用可能性があります。しかし、多くのアイトラッカーアプリケーションは、リアルタイムの画像処理の難しさのために単眼であり、低解像度のカメラを使用しています。

そこでトルコのY. Durnaらは、コンピュータのダイレクトアクセスメモリチャネルを利用して、フルHD画像を処理することを試みました。

2章
LabVIEWと暗瞳孔法で視線を検出する

まずはY. Durnaらの研究におけるミッション・手法・結果をまとめます。

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