AIも甘さが分かる?チョコレートの品質評価を自動化(AI×食品)【論文】

   

チョコレートの品質は繊細に保たれている

チョコレートは世界で最も人気のあるお菓子だ。チョコレートの品質評価においては、多くの物理化学および官能データを考慮する必要があり、非常に時間とコストがかかる。そのため、機械学習を用いた評価プロセスの最適化による、時間とコストの削減が急務となっている。

オーストラリアにあるメルボルンの大学のThejani M. Gunaratneら研究者は、チョコレートの品質評価におけるコスト削減という課題に着目し、機械学習を用いた物理化学および官能データの予測を試みた。結果、実測値と比較し、相関係数が0.9を超える高精度の予測モデルの開発に成功した。

機械学習を用いたチョコレートの品質評価

Thejani M. Gunaratneらの研究のポイントは以下の通りだ。

✔️ミッション
機械学習を用いてチョコレートの品質評価にかかるコストを削減する。

✔️解決手法
チョコレートの物理化学および官能データの予測モデルを開発し、実測値と比較した。

✔️結果
相関係数が0.9を超える高精度の予測モデルの開発に成功した。

研究の詳細を以下で述べる。

チョコレートの品質評価における課題

チョコレート製造において品質評価を行う際には、酸味、甘味、苦味、色の濃さ、硬さ、滑らかさ、粘度など様々な観点で評価を行う必要がある。そのため、従来の品質評価手法は時間がかかる上、労働集約型であり、高度な分析技術が必要になる場合がある。こうした背景から、時間やコストの削減を目的として、品質の予測を高精度で行える機械学習モデルの開発が注目を集めている。

物理化学および官能データを予測する機械学習モデルを開発

Thejani M. Gunaratneらは機械学習アルゴリズムを用いて、チョコレートの物理化学データ(モデル1)と官能データ(モデル2)を予測する2つの機械学習モデルを開発した。

モデル1の入力値は正規化されたNIR測定値で、出力値は物理化学データ(pH、糖度、粘度、色)の値だ。モデル2の入力値はモデル1の出力値で、出力値は官能データ(苦味、塩味、酸味、甘味、旨味の強度)だ。

開発したモデルの予測値と事前に収集した物理化学および官能データを比較した。

各モデルの入出力のフロー

高精度の予測モデルの開発に成功

開発されたモデルの精度は高く、相関係数についてはモデル1でR = 0.99、モデル2でR = 0.93となった。開発されたモデルにより、機械学習を用いることでチョコレートの品質評価のコストを削減できる可能性が示唆された。

各モデルの統計データ

研究紹介は以上だ。

この研究では考慮されなかった他の物理化学および官能データを使用することで、モデルのさらなる品質を改善が期待できる。

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この記事で取り扱った論文:Thejani M. Gunaratne, Claudia Gonzalez Viejo, Nadeesha M. Gunaratne, Damir D. Torrico, Frank R. Dunshea and Sigfredo Fuentes,”Chocolate Quality Assessment Based on Chemical Fingerprinting Using Near Infra-red and Machine Learning Modeling”,Foods,8(10),426 – DOI


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