神経発達をAIで解析できるか。正常を知れば異常がわかる(AI×医療)【論文】

   

[論文] Benjamin A. E. Hunt , Simeon M. Wong , Marlee M. Vandewouw, Matthew J. Brookes, Benjamin T. Dunkley and Margot J. Taylor, “Spatial and spectral trajectories in typical neurodevelopment from childhood to middle age”. Network Neuroscience, 3, 497 (2019).

[DOI: 10.1162/netn_a_00077]

3つの要点

✔️ヒトの能力や病理を理解するため、健康な個人の神経発達のプロセスの解明に取り組んだ

✔️神経発達は複雑な非線形の軌跡を描くものであり、この軌跡から外れる発達が見られた場合、神経発達障害などの可能性があると判断できる

✔️本研究の結果は、神経発達の複雑さを示すとともに、臨床研究や発達に関する病気の早期発見に役立つと期待される

概説

精神的および神経学的病理の性質を理解しようとするなら、典型的なヒトの神経発達の詳細な特徴付けが重要である。

神経発達における細胞の作用に関する研究が大きな進歩を遂げた一方で、ヒトの生体内のイメージングは​​、私たち独自の人間の能力およびそれに影響を与える病理を理解するために非常に重要だ。

現在入手可能な最大の規範的サンプル(6〜45歳324人の参加者)の脳磁図データを使用して、我々は小児期から中年までの安静時の振動力と機能的結合性の発達軌道を評価する。

局所処理を示す成熟力の経過は、スペクトル依存的に増加および減少することが見出された。

区画化された領域間の位相同期の強度を使用して、シータ帯とガンマ帯それぞれにおける線形と非線形の軌跡を持つ優れた前頭部などのような、空間的に異質な周波数固有の挙動で特徴付けるための重要な線形と非線形の(二次と対数の)軌跡を発見した。

グローバル効率(ネットワークが情報を伝達する能力の尺度)の評価によって、すべての周波数帯域にわたる同様の重要な非線形軌跡が明らかになった。

我々の結果は人間の認知能力の発達と関連している。

それらはまた、神経発達の複雑さを強調し、そして複製のための定量的パラメータ、および臨床研究において典型的な軌跡からの病理学的逸脱の目印となるであろう堅牢な基盤を提供する。

*

脳機能イメージングを使うことで、どの子供がうつ病や不安障害を発症するかを予測できる、と想像してみてほしい。

これは早期介入を可能にし、そしてある場合には病気の否定を可能にするだろう。

この目標に向けた最初のステップは、健康な個人の神経発達の軌跡を理解することだ。

そうすることで私達は、特定の病気における発達上の逸脱を認識することができる。

我々は6〜45歳の群における、機能的連結性の発達上の軌跡を特徴付けるために利用可能な最大の発達上のMEGデータセット(n = 324)を使用した。

我々は、異なる振動周波数で反対の軌跡を持つ脳空間内で不均一に定義された、2つのグラフ理論の測定基準において非線形軌跡の証拠を見つけ出した。

我々の調査結果は、典型的な神経発達の複雑さを強調し、異なるモダリティでの複製のための基礎的定量化および臨床群への応用を提供する。

図3 グローバル効率(GE)で評価された典型的な神経発達の軌跡
各プロットは、クロスバリデーション分析に対して統計的に有意な曲線フィットを表している。シータ帯域GEは直線的に増加するフィットによって有意に特徴付けられるが、アルファおよびガンマ帯域は二次曲線、ベータ帯域は対数曲線によって有意に特徴付けられた。

著者

Benjamin A. E. Hunt* (Department of Diagnostic Imaging, The Hospital for Sick Children, Toronto, Canada / Neurosciences and Mental Health Program, The Hospital for Sick Children Research Institute, Toronto, Canada)

Simeon M. Wong (Department of Diagnostic Imaging, The Hospital for Sick Children, Toronto, Canada / Neurosciences and Mental Health Program, The Hospital for Sick Children Research Institute, Toronto, Canada)

Marlee M. Vandewouw (Department of Diagnostic Imaging, The Hospital for Sick Children, Toronto, Canada / Neurosciences and Mental Health Program, The Hospital for Sick Children Research Institute, Toronto, Canada)

Matthew J. Brookes (The Sir Peter Mansfield Imaging Centre, School of Physics and Astronomy, University of Nottingham, Nottingham, United Kingdom)

Benjamin T. Dunkley (Department of Diagnostic Imaging, The Hospital for Sick Children, Toronto, Canada / Neurosciences and Mental Health Program, The Hospital for Sick Children Research Institute, Toronto, Canada / Department of Medical Imaging, University of Toronto, Toronto, Canada)

Margot J. Taylor (Department of Diagnostic Imaging, The Hospital for Sick Children, Toronto, Canada / Neurosciences and Mental Health Program, The Hospital for Sick Children Research Institute, Toronto, Canada / Department of Psychology, University of Toronto, Toronto, Canada / Department of Medical Imaging, University of Toronto, Toronto, Canada)

出版情報

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