AIが退役軍人の声を分析してPTSDを診断する!

   
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最終更新日:2019/11/19

発表されたこと

SRI Internationalと協力して世界のSiriを世に送り出したカリフォルニアの技術研究所、NYU Langoneのメンタルヘルスの専門家は、音声分析を使用して心的外傷後ストレス障害(以下PTSD)を診断するためのAIを使用したツールを開発した。

心的外傷後ストレス障害(しんてきがいしょうごストレスしょうがい、Post Traumatic Stress Disorder、PTSD)とは
命の安全が脅かされるような出来事(戦争、天災、事故、犯罪、虐待など)によって強い精神的衝撃を受けることが原因で、著しい苦痛や、生活機能の障害をもたらしているストレス障害である。

上級研究著者Charles Marmar、MD、および共著者は、4月22日にDepression&Anxietyでオンライン発表された自らの研究について説明した。
彼らの調査結果を紹介するにあたり、著者らは、現在のPTSDの診断では、臨床面接および患者による自己報告という手段がとられており、これは主観的であり、したがって不正確になりがちであると指摘した。

彼らは、言葉の選択から声の調子、そして言語化のリズムまで、あらゆる目的において多数のPTSDマーカーを客観的に分離することができるアルゴリズムPTSD分類器を作成することに着手した。
チームは、PTSD を持つ52人のイラクとアフガニスタンの戦争退役軍人と、なんの病状もない77人の同僚の音声を録音し実験を行った。
録音をSRIソフトウェアに入力することで、彼らはアルゴリズムが分析するための40,000以上の音声ベースの特徴を識別することに成功した。
Marmar氏とチームは、このツールがPTSD患者とコントロールをほぼ90%の正解率で識別していることを発見した。

今後の展望

NYU Langoneによる情報では、共同執筆者である心理学者Adam Brownが、「スピーチ(話し言葉)は自動診断システムで使用するための魅力的な候補であり、おそらく将来のPTSDスマートフォンアプリの一部として、安価に測定できる。 リモートでも邪魔にならない」と指摘した。
Marmar氏は、さらに検証と微調整を行うことで、音声解析アルゴリズムがPTSD患者の日常の臨床治療にすぐに使用される可能性があると付け加えた。
(この研究は、集中領域として遠隔医療を行っている米国陸軍研究センターによってサポートされた。)

原文

https://www.aiin.healthcare/topics/connected-care/ai-diagnosis-ptsd-veterans-voices


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