皮膚がんは、深層学習で発見可能!

   

深層学習(*機械学習を発展させたもの。人間の神経細胞をモデルにした「ニューラルネットワーク」を用いて、データの分析や学習を行う手法)を用いると、たとえローテクな皮膚検査写真しかなかったとしても、皮膚がんは高精度で発見できる。というのが、ランセット誌のオンラインジャーナルeBioMedicineに掲載されている、イスラエルでの研究結果である。

なにをやったのか

アルゴリズムを分析するために、テルアビブ大学サックラー医学部のAvi Dascalu博士と、バル=イラン大学のEli David博士は、黒色腫または他の皮膚癌が疑われる73人の患者から診断画像を取得した。

彼らは、皮膚検査写真撮影時、偏光を用いたSMP(Skin magnifier with polarized light:皮膚拡大鏡)を使用して病変画像を撮影した。SMPとは、皮膚科でよく使用される光源と標準的な拡大光ファイバーを組み合わせたハンドヘルド機器(*片手で持てる、持ち運びやすい小型機器)である。

2人は早期疾患診断のために、実験的な深層学習アルゴリズムでこれらの画像を処理し、そして画像に超音波処理を施しデータの層を追加した後にも、再び処理を行った。この次の工程として、画像データを音波に変換する。こうすることで、上記の研究で示したように、診断精度を改善することができる。

博士たちは、病理組織学的検査の結果を使用することで、実験的に使用したSMP深層学習システムの陽性的中率が57.3%に達することを発見した。次いで、比較対象として高精度な皮膚検査写真を使用し同じ病変を診断したところ、陽性適中率59.9%だった。高品質な媒体を使用したにも関わらず、こちらがほんのわずかにしか優れていないということがわかったのだ。

ディープラーニング、その価値

これを受けて、研究者たちは「驚くべきことに、簡易的な皮膚検査診断の正確さは本格的な皮膚検査装置に匹敵する」「人間と畳み込みニューラルネットワーク(*生物学的過程から発想を得た、画像や動画認識に広く使われているモデル)間における、視覚画像の知覚の違いを証明している」と述べている。

博士たちはさらに「深層学習技術は皮膚癌の診断精度を向上させ、高品質な皮膚検査画像を用意する手間を短縮できるので、医師がより早く病気を発見する手助けになるのでは。」と期待を寄せている。

また、彼らの研究は遠隔皮膚科学サービスを利用したものであるため、予防医学分野の進歩に役立ったという。「予算重視型の医療制度を結果的に支援することになる」とのことだ。

この研究について、オンライン上で全面的に閲覧可能となっている。オープンリソースなので、ぜひご覧いただきたい。

原文

https://www.aiin.healthcare/topics/diagnostics/skin-cancer-melanoma-deep-learning-diagnosis

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