インフラのひび割れを早期予測(オーストラリア)【AI論文】

世界のインフラ市場は競争が激化している。例えば日本は要素技術はトップ水準の物が多いもののポジションが厳しく、アジアに限っても5番手に甘んじる状況である。

インフラ産業は、単なる機器の輸出のみで考えるものではなく、機器を支える設計・建設・運営・管理を含むシステムごとの受注を見据える構造になっている。

インフラのひび割れを早期予測!?

そんな中、オーストラリアにあるAzadehら研究者は社会インフラストラクチャーの保守管理におけるひび割れ等の早期発見の重要性から、その位置特定と可視化アルゴリズムの開発を試みた。

その研究のポイントはこうだ。

✔️課題
社会インフラストラクチャーの保守管理にあたり、建造物のダメージを早期特定する構造監視技術は大変重要である。

✔️解決手法
SVM等のアルゴリズムを用いて、ひび割れの位置特定と内部構造の可視化を試みる。

✔️結果
従来のSVMによる手法よりも2%程度特定精度が上がり、また内部構造の可視化にもある程度成功した。

では研究の詳細を見てみよう。

構造内部の状態監視技術の重要性

社会インフラストラクチャーの保守管理にあたり、荷重環境で起こりうる建造物のダメージを特定する構造監視技術は、大変重要な役割を果たす。Azadehら研究者は、非破壊法(NDT)によるダメージの特定とその可視化を試みた。彼らは、サポートベクターマシン(SVM)に基づく機械学習(ML)アプローチを、物質内で起こっている現実をうまくアウトプットに反映できるように調整した。これによりひび割れ等の早期発見を可能にし、構造内部における欠陥のリスクの減少を図る。

SVMによる新たなひび割れの特定手法

理論的、実験的分析は、コンクリートと鉄筋コンクリート梁用のスマートアグリゲート(SA)センサーから取得した性能指標を計算することで行われた。検証作業では、従来のSVMによる結果との比較分析が行われた。

それに加え、ひび割れを特定、可視化するために、また別のアルゴリズムを用いて鉄板、複合材料、そして金属板のマイクロ波やミリメータ波イメージングを行った。鉄板の解析用に開発されたアルゴリズムには、画像の四方向の勾配の大きさとエッジ検出技術が用いられた。そのほか、複合材料や金属板の解析にはどちらに対しても3つのアルゴリズムが用いられ、それには2D高速フーリエ変換とハイブリッドファジィc-means法がそれぞれ用いられた。

Applsci 09 02810 g001 550
ファジィc-mean法閾値アルゴリズムのフローチャート
Applsci 09 02810 g003 550
 測定環境

従来のSVMよりも高精度で欠陥を特定

今回開発されたMLアルゴリズムは、従来のSVMよりもより正確にひび割れを認識することができた。また、内部のひび割れのマイクロ波イメージングにおいては、上で述べた技術を用いることで不鮮明な画像の解像度を上昇させ、構造監視において有用な手法であることが明らかになった。

従来のSVMと今回開発されたSVMの正答率の比較
Applsci 09 02810 g013 550
フーリエ変換と小波変換を用いた、サンプルにおけるひび割れの特定プロセス。(1)1倍(2)2倍、(3)3倍、(a)フーリエ変換、(b)逆高速フーリエ変換(利得)、(c)逆高速フーリエ変換(位相)、(d)分割の結果

たとえ進歩がほんの小さなものであったとしても、がっかりしないことである。その積み重ねの結果、人類は宇宙にまで到達し得たのだから。

参照論文

Azadeh Noori Hoshyar, Maria Rashidi,Ranjith Liyanapathirana and Bijan Samali, “Algorithm Development for the Non-Destructive Testing of Structural Damage”, Appl. Sci. 20199(14), 2810

DOI

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