偽物の紙幣を高速認識(韓国)【AI論文】

韓国にあるMiseon Hanら研究者は、機械による紙幣種の特定と偽造検知を段階的に行い、多くの時間と演算量が必要となってしまっている状況に着目し、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)による時間の短縮を試みた。

その研究のポイントはこうだ。

✔️課題
従来の技術では、紙幣種の特定と偽造検知を段階的に行っており、多くの時間と計算量が必要であった。

✔️解決手法
CNNによる紙幣認識と偽造検知の同時処理を用いて、処理時間の短縮を試みる。

✔️結果
100%の正確性と30%以上の処理時間短縮に成功した。

では研究の詳細を見てみよう。

金銭取引における、認識技術の高度化の重要性

近年、急激に増える電子取引の影響で、紙幣の利用は年々減りつつある。しかし、簡単に持ち運べ、広く利用され、信頼できるという観点から、現代でもやはりその重要性は健在である。

金銭取引においては、紙幣の枚数を数え、種類を特定し、偽造紙幣を検出できることが重要である。また、こうした行程は、より少ない計算量かつより短時間で完遂されることが望ましい。

従来の技術では、紙幣種の特定を行ってから偽造検知を行っており、多くの時間と計算量が必要であった。しかも、この行程は機械による間違いが起きやすく、しばしば紙幣種の特定のミスが偽造検知のミスに繋がることがある。

CNNによる紙幣認識と偽造検知の同時処理

Miseon Hanら研究者は、現在存在する技術よりも圧倒的に早く紙幣種特定と偽造検知をする技術の開発を試みた。

彼らは、紙幣種の特定と偽造検知を畳み込みニューラルネットによる画像解析を用いて同時に処理することで、従来の段階的なシステムよりもずっと早く昨日するシステムが開発できると考えたのである。

また、彼らは、説明可能AIによる技術開発にこだわった。この手法を使うことで、当のAIが紙幣のどの部分に注目して、紙幣種の特定と偽造検知を行ったのかを可視化することができる。これでAIを、人間の適切な制御下に置きながら教育することが可能になるのである。

検証用の紙幣として使われた紙幣は以下の2種類である。

・アメリカドル紙幣 (USD)

・ユーロ紙幣(EUR)

Sensors 19 03607 g004
紙幣認識と偽造検知のシステム

100%の正確性と処理時間の大幅短縮

結果として、USDとEURどちらの場合においても、100%の正確さで紙幣認識と偽造検知を行うことができた。また、処理時間においても、従来の段階的な手法よりも、今回検証を行った同時的な手法を用いた場合の方が、30%以上処理時間が短縮された。

処理時間平均
Sensors 19 03607 g001

Grad-CAMによる紙幣解析結果の数例。もっとも左の列から3列目まではそれぞれ、用いられた紙幣、赤外透過、そして赤外線反射による紙幣像である。
4列目と5列目は、紙幣種の特定と偽造検知の結果である。

人間にとっては難しいが、機械にとっては簡単な作業。これを見極め、全ての労働を機械により代替した時、人間はもはやこの文明を維持するのに、機械として振舞う必要がなくなる。

参照論文

Miseon Han and Jeongtae Kim,”Joint Banknote Recognition and Counterfeit Detection Using Explainable Artificial Intelligence“, Sensors 201919(16), 3607

DOI

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