ヒューマンエラーを減らせ!超音波画像をディープラーニングで解析(国内)【AI論文】

筑波にあるAIST(産業技術総合研究所、通称「産総研」)のJiaxing Yeら研究者は、超音波画像検査(*)には、画像を見る検査官の主観的な判断に依存する課題があることに着目した。
そこでディープラーニングを用いて、客観的な判断基準を作成することを試みた。

*超音波画像検査・・・金属などの物体における非破壊検査で便利とされている手法。

この研究のポイントはこうだった。

✔️課題
超音波による検査画像の認識はヒューマンエラーが起きる。

✔️手法
深層学習と従来の画像確認を比較評価した。

✔️結果
深層学習の優位性が確認された。

では、詳細を見てみよう。

超音波による検査画像の認識はヒューマンエラーが起きる。

ここ数十年の間、超音波による映像データの解析はボイド・腐食などといった切開して内部を確認できない物体の欠陥などを調査する上で主流の方法とされてきた。しかし、画像やデータそのものの解析は解析する担当者の主観による判断が多くヒューマンエラーに対して脆弱であることがわかっている。そんな中、近年開発が進むコンピュータの視覚技術は普遍的な事象に対する新たな視覚的理解を提示している。深層学習によって画像を解析する方法を模索した。

Figure 1 コンピュータによる超音波画像の一般的な取得および解析方法

深層学習と従来の画像確認を比較評価した。

研究者らは、効率的な自動超音波画像解析システムの開発として研究を行なった。超音波による非破壊検査・NDT(nondestructive testing)には、6849件の超音波スキャン画像を含む超音波検査画像データセットを用意した。テスト手法は従来のコンピュータビジョン技術と最新技術を比較するため、特徴情報を人手で創出する従来の方法と最新の畳み込みニューラルネットワーク・CNN(convolutional nerural network)を駆使して多層スタッキングデータを作成した。

Figure 7 取得した超音波画像サンプルのデータセット。
左図がオブジェクトに欠陥あり・右図はオブジェクトが正常な画像となる

作成したスタッキングデータをそれぞれ学習スキームに当てはめて考察する。従来型の学習方式である浅層学習・近年登場した学習方法の深層学習を用いてそれぞれ解析を行い、エラー数によって評価した。

Figure11 クラスごとに異なる注釈がつけられた場合、異なる空間にマッピングを行う。
左図が従来学習・右図が深層学習を用いた散布図。
白丸を正常なオブジェクト・赤丸を欠陥のあるオブジェクトとしたとき、
深層学習は明確な場合分けを行うことができている

深層学習の優位性が確認された。

結果、深層学習(ディープラーニング)対応のシステムは従来の浅層学習スキームに比べて優位性があることが判明した。超音波画像検査においても深層学習をもとにした画像認識が可能であることが証明された。このベンチマークをもとに、さらなる研究の発展に努めるとともに、リファレンスとして活用されることが期待できる。

匠の技がAIによって踏襲されてゆく領域もある。
しかし、先人の努力がなければ比較評価することもできない。

参照論文

Ye Jiaxing, Ito Shunya, Nobuyuki Toyama, “Computerized Ultrasonic Imaging Inspection: From Shallow to Deep Learning.” Sensors 201818, 3820.

DOI

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