精神科でAIが使われる「5つの条件」とは。【メンタルヘルス専門家×AI論文ピック】

   

「心」は我々にとって、最も大きな問題の一つです。
最先端の科学技術では、身体の可能性を最大限に高める試みがなされているのにもかかわらず、「心」に関しては未解決のままになっている問題が多く存在しています。多くの人は、AIの活躍する現在から未来にかけて、精神医学がどのように変わっていくのか、ほとんど想像すらできないのではないでしょうか。

この連載では、精神科医をナビゲーターに迎えて、読者が知ってなるほどと思える論文をもとに、「AI時代のメンタルヘルスケア」の世界をレポートします。

【Asa-jirow】

精神科医。AI学会会員。意識のハード・プロブレム,人工人格について考察中。ゲーム製作会社,法律事務所勤務を経て医師に。

第2回目は、精神科の診断に機械学習を活用する「5つの条件」。
第1回目はこちら

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はじめに−精神科には特有の「事情」がある。

医療において「診断」が重要であることは言うまでもありません。生活習慣病や癌など多くの病では、できるだけ早期に診断し治療を行うことで、病の悪化を防ぎ、病状の改善や治癒につなげることができます。「診断」に機械学習を活用しようとする試みは各国でさかんに行われており、特に画像診断の領域などでは急速に実用化が進みつつあります。

では精神科でも、機械学習を用いれば「早く」「正確な」診断ができるようになるのでしょうか――実は、一概にそうとは言えないようです。精神科における「診断」には、他科にはない特有の事情があるからです。

ベルギーのFund for Scientific ResearchのItaniらは、最近のレビュー論文の中でこのテーマについて論じています。彼らは、機械学習を精神科診断に用いるためには、以下の5つの条件が必要だとしています。

「説明可能」であること

「理論的」アプローチと「データ駆動型」アプローチとを組み合わせること

「1クラス分類」を用いること

データに内在する「異種性」の問題に留意すること

「再現性」を保証すること

それぞれどういうことなのか、順に確認していきましょう。

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