“機械基礎”の故障をAIで予想!【人工知能論文】

機械基礎とは、大きな機械を固定するために作るコンクリート製の基礎のことで、土やコンクリートの床の上などに配置する。その機械基礎に故障が起こると上の機械を止めなければいけない上に大規模な工事が必要になるため、設計におけるリスクは非常に高い。にも関わらず、機械基礎の故障に関わる予測の論理はいまだに課題が多い。

機械基礎工事の様子

そこでポーランドにあるグダニスク工科大学のPatryk Ziolkowskiら研究者は、機械基礎の故障を精度高く予測するために機械学習技術の応用を試みた。

その研究のポイントはこうだ。

✔️どんな変数がどれだけ機械基礎の故障に影響しているかを調べ、故障率の予測に取り組んだ。

✔️9つのパラメータから構成される510基の機械基礎のデータを用いた。60%を訓練用、20%を選択用、20%をテスト用に使った。

✔️基礎体積が小さいほど、また、基礎上に載置された機械の水平自励振動の角振動数が大きいほど、コンクリート機械基礎の故障発生率が増加することがわかった。

では詳細を見てみよう。

機械企業の協力

コンクリート機械基礎は、稼働中の機械から地面に重みを流す構造物だ。このような基礎の設計には、機械開発によって生じる静的および動的効果の注意深い解析が必要である。一般的なコンクリート基礎と機械基礎の大きな違いは、機械基礎が建物構造から分離されていることだ。

機械基礎の適切な品質と運転パラメータの保存は、特にガスと石油産業では必須であり、この産業では技術プロセスの中断はコストがかかる。
まず第一に、基礎の損傷による直接的な修復コストがあるが、製造工程の閉塞に伴う間接的なコストもある。
基礎の修理は精製プロセスの特定の一部を一時的に停止させてしまいうるのだ。

協力会社の協力により、製油所のコンクリート機械基礎510基のデータを取得した。
著者らのデータベースはコンクリートカバーの厚さ、機械重心の歪み、垂直自励振動の角周波数、水平自励振動の角周波数、振動の振幅、基礎面積、基礎体積、および発生した故障に関する情報といったような多くのパラメータを含んでいる。

データセットに利用したパラメーター
データベースの値の分布

コンクリート機械基礎の故障はまだ完全には理解されていない。本研究では、何がコンクリート機械基礎の破壊発生率に影響を与え、どの程度影響するかを評価した。

分散プロット:目標変数対入力変数。縦軸は、基礎エラー発生率(FFOR:基礎障害発生率;YES-障害が発生した ;NO—障害は発生しない。)です。横軸はパラメータとみなされ、単位はパラメータによって異なる。(A) 機械障害発生(-);コンクリートのカバーの厚さ(cm);(c)機械重心の歪み(mm);(D) 垂直自励振動の角周波数(s−1);(E)水平自励振動の角周波数(s−1);(F) 振動の振幅(μm);(G) 基礎の面積(m2);(H) 基礎の体積(m3)。

パラメータ間の相関を調査

基礎損傷発生率とパラメータ間に相関があるかどうかを調べた。この目標を達成するために、最先端の機械学習技術を利用した。

採用された手法の流れ
主成分の累積因子寄与率(CEV:累積因子寄与率)
ANNの構造。図はネットワーク構造を示しており、次を含む。入力ニューロン([…])、スケーリングニューロン(緑色)、主成分(青色)、知覚ニューロン(赤色)、確率ニューロン(黄色)、出力ニューロン([FFO])。略称:[MF]機械障害の発生;[CT]-カバーの厚さ;[GC]-機械の重力中心の歪み;
[VA]-垂直自励振動の角度周波数;[VB]−水平自励振動の角周波数;[VC]−振動の振幅;[FA]-基礎の面積;[FVキー]:基礎の体積;[FFO]:基礎障害の発生。
入力寄与分析。基礎の体積がもっとも影響が大きく、機械重心の歪み、水平自励振動の角周波数、、、と続く。
ROC曲線グラフ 真陽性率は0.87だった。
ライフチャート 
出力グラフ:ダイアグラムは、1つの入力変数に対する出力変数の変動を示すが、その他の変数は固定されている。縦軸は、基礎の障害発生率[FFOR:基礎障害発生率;HIGHER-失敗の発生率が高より高い。;LOWER:障害発生率がより低い]。横軸は、入力の寄与率値が1.0より大きい入力パラメータを表す。横軸の単位はパラメータによって異なる。(A)基礎の体積(m3);(B) 機械重心の歪み(mm);(C) 水平自励振動の角周波数振動(s−1);(D) カバーの厚さ

“予測”がなかったら余分にかかっていた労力が削減される。
それが期待される現場は、世の中に計り知れないほど数多いのではないだろうか。

参照論文

P. Ziolkowski, S. Demczynski and M. Niedostatkiewicz, “Assessment of Failure Occurrence Rate for Concrete Machine Foundations Used in Gas and Oil Industry by Machine Learning”. Appl. Sci., 9(16), 3267 (2019).

DOI: 10.3390/app9163267

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