ディープラーニングで労災を防ぐ!?他 最新の製造系AI研究5選

   

このコーナーでは、製造業向けAIの最新研究をお届けしていきます。サクッと業界のトレンドにキャッチアップしましょう!今回のトピックスは以下の5つです!

今週のラインナップ
1. ディープラーニングによる労働災害の防止
2. 6次元物体ポーズ推定
3. 織物の物理的性質の予測
4. AR技術を用いた自動検査
5. 音による異常検知

バックナンバーはこちら

ディープラーニングによる労働災害の防止

労働災害による死傷者数の増加は、世界的に問題となっています。例えば、日本では2018年の労働災害による負傷者数は127,329人です。日本での労働災害件数は減少傾向にありましたが、外国人労働者や高齢者の増加に伴い、製造業の多様化が進んだため、その傾向は鈍化しています。

日本の研究チームは、異常検知手法を用いて労働災害を未然に防ぐ総合的な自動監視システムを構築を試みました。労働災害は、工場のルールから労働者が逸脱した場合に発生すると考えられます。労働災害を未然に防ぐために、工場に設置されたカメラから取得できる映像を用いて異常行動を検出することに着目しました。

結果、従来の手法と比較して、より精度の高い検出結果が得られることが確認されました。今後は、従来法に比べて高精度なスケルトンマップを生成できるGAN(Generative adversarial networks)を用いた新たな手法を開発したり、また、モデルへの入力を生の映像とすることも検討しています。

元論文:Anomaly Detection Based on Deep Learning Using Video for Prevention of Industrial Accidents

関連記事▶︎ 薬はもっと速く設計できる?ディープラーニングで検証

6次元物体ポーズ推定によるビンピッキング

6次元物体ポーズ推定のためのロボットビジョンシステムは、産業用ロボットマニピュレータの適用範囲を拡大するための重要な役割を担っています。このシステムは、煩雑な場所から物を拾い上げるビンピッキングや、産業用部品の位置や向きを計算するための深度カメラなどに用いられます。しかし、このような測定装置はコストが高いため、工場現場での幅広い応用には限界があります。

日本の研究チームは、ロボットマニピュレータによる機械部品のビンピッキングのための高速かつ高精度な6次元物体姿勢推定法を提案しました。本研究は、注目アーキテクチャを応用して、シングルショットアプローチをステレオビジョンに拡張します。

提案手法に従って、ステレオカメラからの生画像を用いて、黒鋼ねじ、ステンレスねじ、DCモータ部品(ケース、ロータコア、コンミテータキャップ)を検出した場合、ビン摘み作業はそれぞれ76.3%、64.0%、50.5%、89.1%、64.2%の確率で成功しました。

元論文:Stereo Vision Based Single-Shot 6D Object Pose Estimation for Bin-Picking by a Robot Manipulator

関連記事▶︎ 本物そっくりペットロボット!?最新のAI関連特許5選【週刊】

織物の物理的性質の予測

インダストリー4.0の概念の導入は、IoT、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、AIなどの情報技術の採用により、多様な産業分野を変革しています。特に、インダストリー4.0の変革は、生産効率の向上(コスト削減など)や織物のデザインを支援することで、繊維産業を大きくすることができます。

ポルトガルの研究チームは、織物の作成を支援するための新しい機械学習(ML)アプローチを提案しました。織物会社のデータを用いて、織物のデザインと仕上げ工程に関連する3つの入力特徴表現を比較するために、CROSS-Industry Standard Process for Data Mining(CRISP-DM)を2回繰り返し実行しました。CRISP-DMのモデリングにより、合計9つの繊維の物理的特性がモデル化されました。

全体的に、よりシンプルな糸表現戦略の方がより良い予測結果が得られました。さらに、8つの織物特性については、仕上げ特徴を追加することで予測の質が向上しました。最良のMLモデルは低い予測誤差(2%〜7%)を得ており、生産回数の削減(時間とコストの節約)をできるため、繊維会社にとって潜在的に価値のあるモデルであると言えます。

元論文:Predicting Physical Properties of Woven Fabrics via Automated Machine Learning and Textile Design and Finishing Features

関連記事▶︎ IoTとAIで樹々の健康を守ることはできるか

AR技術を用いた自動検査

複雑な航空コネクターの不整合ピン検査は、ワイヤーハーネスを正しく組み立てるための重要なプロセスです。しかし、既存の手作業による検査ではエラーが発生しやすく、時間がかかります。

中国の研究チームは、この問題について、拡張現実(AR)を利用したディープラーニングをベースとしたアプローチを提案しました。提案するspatial-attentionピラミッドネットワークアプローチは、画像の特徴を多層に抽出し、画像間の空間的関係を探索します。また、クラスタ生成シーケンスアルゴリズムに基づいて、検出されたピンは、予想される層のアニュラスにクラスタ化されます。最後に、検査の可視化プラットフォームとしてのARガラスは、不一致のピンを強調表示し、オペレータに自動的に警告します。

実験結果は、他の既存の方法と比較して提案手法がより優れた精度を達成し、オペレータの検査プロセスを効率的にサポートできることを示しています。

元論文:An AR-Assisted Deep Learning-Based Approach for Automatic Inspection of Aviation Connectors

関連記事▶︎ ARの拡大AIで加速するか。3D生成「BAGAN」登場

音による異常検知

異常検知は、機械学習の最も顕著な産業用途の1つです。しかし、現在のアプローチのほとんどは、視覚領域での異常検出に基づいています。カメラで完全にカバーできない風景の場合には問題が発生し、予測ができないブラインドスポットが発生します。もちろん、これは工業生産設備や機械の内部にも当てはまります。

ドイツの研究チームは、伝達学習を用いた音情報でのな異常検知について検討しました。現在のアプローチの多くがディープオートエンコーダーに基づいているのに対し、画像分類のタスクで事前に訓練されたニューラルネットワークを用いて特徴を抽出する手法を提案しました。そして、これらの特徴を用いて様々な異常検出モデルを訓練し、ノイズの多い環境下での4つの異なる工場機械の記録において、畳み込みオートエンコーダーと比較して結果が改善されることを示しました。

ResNetベースのネットワークから抽出された特徴量は、AlexNetやSqueezenetから抽出された特徴量よりも優れた結果が得られることがわかりました。本研究での設定では、ガウス混合モデルと1クラスサポートベクターマシンが最も良い異常検出性能を達成しています。

元論文:Acoustic Anomaly Detection for Machine Sounds based on Image Transfer Learning

関連記事▶︎ 空調の異常検知AIが、世界のエネルギー消費を削減する

【バックナンバーはこちら】

業界から探す

さらに学ぼう!

PAGE TOP